2007.12.04
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吉相の間取り

吉相の間取り


家を建てるときによく「家相はどうですか?」と聞かれる事がある。
最近は家相と風水を一緒と考えている人が少なくないが、本来は家相と風水は別のものだと聞いている。
では家相とは何かと言うと、起源は昔、中国より伝来したものを、
日本風に作り変えたもので今風に言うと住宅を作る時の参考書や、設計図書の様な物だったらしい。

今では昔のような考え方をしている人は少ないと思うが、
裏鬼門に台所や便所があるのは凶といって嫌い、そこに配置しないようにした。

当時 これはとても重要な事で、冷蔵庫も水洗便所も無い時代、
西日で台所の物が腐ったり、便所からひどい匂いがしたり、
虫が涌いたりしたからで、生活にとても困ったと思われる。

また鬼門に欠けの玄関が凶と言われ家族が病気になるとした根拠は、
北東からの冷たい風が家の中に吹き込み、寒い思いをしたからで、
風邪は万病の元と言われるのもこう入った事からではないだろうか。

また、玄関は人を迎える格式の高いところで家の中の一番いい場所に設置すると言う事で南東の角にもって行きこれを吉としている。

このように家相の実例を挙げるときりが無いが、
科学的にも常識的にも何の根拠もないばかりか、とんでもない物も有り、
それを住宅の設計にこじつけてしまう事だけは止めてほしいと思う。

それでは現代において吉相の家相とはどんなものだろうか?
私は私なりに吉相の家を何軒も造ってきたが、
その間取りは決まってそこに住む家族のための間取りができた時である。
間取り作りは、そこの住む家族のためであり、
お客さんのためでも、奇抜な設計者のエゴのためでもない。

そしてその間取りはそこに住む家族によって違い、
決してカタログから選ぶようなものではないと思う。

住宅が完成してしばらくたって訪問したときに、
「前の家のように使いやすい」とか「元から住んでいた家のようだ」と言った
ことばを聞く事が出来たら、
その時こそ「吉相の間取りが出来た」と言えるのではないでしょうか。

 

 
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