2021.02.20
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内窓の話

こんにちは 大工の柏尾です。

今回は、内窓の効果をお話ししたいと思います。


柏尾建設には、少し古いですが、物の表面温度を測る機械があります。
実は部屋の温度は、天井と床の温度差が少なく、温度が一定の環境の方が快適な空間と言えます。
この機械は、天井と床の温度差が少ない事を、数字で『見える化』するために買っていた物です。


さて、この機械を見つけた時に、ふと、「事務所の内窓の効果も見えるのでは?」と思い、寒い冬の夜に何枚か写真を撮ってみました。

DSC_0049.jpg































写真は内窓の窓枠の表面温度を撮っている写真です。
表面温度は7.7℃、正直室内側にしては寒いし、いま一つですが、まぁ室温はもう少し高いので着込めば頑張れるくらいの温度です。

この内窓の内側の温度が、外側の窓と比べてどれほどの差があるのかを確かめるため、外側の窓の内側の表面温度を測ってみました。

DSC_0050.jpg
































結果は氷点下以下でした。
外の窓枠の表面温度はー2℃、
内窓の内側が7.7℃だったので、9℃くらいの温度差となっています。
ちょっと外が寒すぎる気もしますが、機械はおおよそ正確に表面温度を測ってくれていると思います。

ちなみに、この結果で内窓を付ければ室温が9℃上がるかといわれると、残念ながらそんなことはありません。窓は部屋の熱が逃げる大きな要因になりますが、すべての熱が窓から逃げている、というわけではないからです。

冬場、室内の熱が逃げる割合は、床から10%・外壁から20%・換気で15%くらい逃げるといわれていますが、窓から逃げる熱が50%ほどを占めているといわれています。

どう測った数値かわかりませんが、窓の断熱性能を上げることは、冬場、部屋の熱を逃がさないためには大分効率的と言えると思います。

ちなみに夏場、窓から侵入する熱は、部屋に入る熱の70%を占めているとか・・・

いいエアコンを使っても、熱がたくさん窓から逃げては、気流が発生し居心地が悪く、快適な環境にはならないかもしれません。
内窓を付ければ熱が逃げることを抑えて、電気代も節約できます。

もう一つ内窓の魅力として、結露が減るという点が挙げられます。
脱衣場の、毎朝結露していた窓に内窓を付けたところ、ピタッと結露が無くなったというお家もあります。断熱性能が上がることで窓の表面温度が上がり、水滴が付きにくくなるのです。

あと、騒音が少なくなります。窓が一つ増えることで、外を走る車の音などが、大分小さくなります。



さて、ここまで内窓の魅力を書いてきたつもりですが、まぁ、欠点も多くあります。

まず高いです。小さな窓で5万から6万円ほどするものになります。窓の交換に比べれば安いですが、大きい窓はもっと金額が上がるので、少し悩むところです。

そして、開け閉めがめんどくさいです。外の窓の鍵を開けるとき、すぐ内側に邪魔な窓が付くので、外の窓を開けたい時にひと手間増えるので、そこはしょうがないと思うしかないです。

あとは、どこでも付くわけではない、という事も付け加えておきます。
内窓は、外の窓の鍵が当たらないところに付けなければいけません。
なので、内窓が付く窓枠の大きさが、8センチほど必要です。この広さは、狭いなら幅の広い窓枠を足すこともできますし、臨機応変に対応できると思います。


長々と書いてきましたが、内窓は、家の性能を効率的にあげるいい方法かなと僕は思っています。寒い部屋で我慢して体を壊すと、たくさん医療費がかかります。やはり、予防は最も低コストな対策だと思います。内窓も、窓のカビの原因となる結露を予防するため、寒くて体調を崩すことを予防するため、うまく使ってもらえればいいと思います。

 
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